【シンポジウム】

    スポーツを通じて地域に向き合う

    〜政策と実践事例から探る
    地域・大学・スポーツの新たな関わり方〜

    パネリスト:

    波多野 圭吾(国士舘大学政経学部)

    藤森 茂和(神奈川大学 アスレティックデパートメント スポーツ戦略室)

    司会:

    平木 貴子(日本大学経済学部)

    《概要》

    「地域貢献」「社会連携」の重要性は語られていますが、具体的に何から始めればよいか分からないという体育・スポーツ系教員・研究者は少なくありません。これは、これから研究や実践の場に出ていく学生・大学院生にとっても、同じ悩みとなりうるテーマです。人口減少や地域財源の縮小が進むなか、スポーツを「するため」だけの取り組みにとどめず、地域の社会課題解決やウェルビーイングの向上に活かしていく動きが広がっており、近年のスポーツ基本法改正でもその方向性が示されました。加えて、スポーツを通した交流や、人と人とのつながりそのものに光を当てる視点も、新たに注目され始めています。本シンポジウムでは、こうした政策的背景を踏まえつつ、北海道小清水町や横浜市竹山団地など各地で大学・NPO・自治体・企業が連携しながら地域に根ざした活動を積み重ねてきた実践事例を紹介します。住民・関係者との丁寧な関わりを通じて信頼関係を築き、活動を「循環」させていく姿勢や、学生自身の成長にもつながる関わり方など、現場でしか見えない知見を共有します。教員はもちろん、これから地域と関わっていく学生・大学院生にとっても、身近な課題への貢献の仕方を考える機会となればと思っております。

    波多野 圭吾

    (国士舘大学政経学部)

    国士舘大学大学院スポーツ・システム研究科博士課程単位取得満期退学。修士(体育科学)。
    日本大学経済学部非常勤講師、神奈川大学人間科学部非常勤助手などを経て、2023年より国士舘大学政経学部講師。2026年より同大学同学部准教授。専門はスポーツ社会学、スポーツマネジメント。特に、スポーツを通じた社会連携やスポーツまちづくり、アスリートによる社会貢献活動に関心を持つ。
    主な著書に『データでみる スポーツとジェンダー2026』(共編著、八千代出版、2026年)、『未来を拓くスポーツ社会学』(共著、みらい、2020年)など。スポーツライターとしても活動し、「スポーツゴジラ」、「週刊金曜日」などに寄稿。

    藤森 茂和

    (神奈川大学 アスレティックデパートメント スポーツ戦略室)

    地域・社会貢献コーディネーター / 神奈川大学サッカー部 監督補佐
    1970年横浜生まれ。大学在学中からスポーツ施設運営に携わり、民間企業においてインストラクターや店舗責任者などの実務マネジメントを経験。その後、ヘルスケア・健康経営地方創生事業に参画し、鳥取県伯耆町や北海道小清水町などにおいて、スポーツ・健康を軸とした遊休公共施設利活用型拠点や防災拠点型複合庁舎の立ち上げに尽力する。
    企業での経験を経て、地元・横浜に帰郷し、現在は、2028年に創立100周年を迎える母校・神奈川大学のアスレティックデパートメント スポーツ戦略室にて、地域・社会貢献コーディネーターを務めるとともに、神奈川大学サッカー部の監督補佐として、チームの指導・運営にも携わる。
    また、横浜市緑区の竹山団地では、行政・大学・自治会・企業・医療・福祉やNPOなど多様な主体と連携し、スポーツ・健康づくり・防災・研究・学生の地域活動を通じた、多世代のウェルビーイング向上に取り組んでいる。大学の知見と地域コミュニティをつなぎ、日々の豊かな暮らし(ウェルビーイング)が、いざという時の備え(レジリエンス)に直結する、フェーズフリーな地域づくり支援に努めている。

    平木 貴子(日本大学経済学部)

    国立スポーツ科学センター契約研究員、チーム「ニッポン」マルチサポート事業契約職員(心理)を経て、2013年より現職。日本スポーツ心理学会認定スポーツメンタルトレーニング指導士。主に競技スポーツの分野でアスリートに対する心理支援の実践および研究を行ってきた。現在は、現職にて学生への教育活動に従事する傍ら、アスリートやスポーツチームへの心理支援活動も継続している。