【特別講演】

    生体計測50年が問いかけるもの

    測る側から見た研究の過去・現在・未来

    演者:白澤 厚

    《概要》

     生体電気現象の研究は、1791年ガルバニによる「動物電気に関する論文」に端を発し、1924年ベルガーが脳波を報告したことで本格的に発展した。演者は約50年前、真空管式脳波計を用いて脳卒中患者の脳波を記録した経験から、脳波と臨床症状の関連に強い興味を抱いた。その後、脳波計の開発や誘発電位研究に携わり、生体内の信号伝達がきわめて多様であることを理解するに至った。
     脳波解析は、従来の振幅・周波数・位相の統合的評価に加え、低周波から高周波までの広帯域解析へと拡張し、脳波計の性能向上がその発展を支えてきた。近年はBCI研究が急速に進展し、ERS/ERDを利用した脳波による意思伝達が実用化に近づいている。
     本講演では、演者が半世紀にわたり脳波に携わってきた経験を踏まえ、生体電気現象研究の魅力と脳波研究の発展について紹介したい。

    《略歴》

     1970年 日立工業高等専門学校電子工学科卒業

     1972年 東京電子専門学校電子医学部卒業

     1972年 日本成人病予防会 温泉治療研究所電気生理研究室

     1977年 NECメディカルシステムズ㈱ 脳神経事業部 部長

     1993年 東京女子医科大学医用工学カリキュラム修了

     1996年 米国国立衛生研究所(NIH)脳波モニタリングプログラム修了

     1997年 トロント大学 トロント小児病院臨床神経生理学留学

     1999年 (株)ミユキ技研 副社長

     現在 ミユキ技研 顧問  フローティング・ラボ代表